コミッションの向き不向き。納期・手数料・名前が出ない現実まで
コミッションは、向き不向きがはっきり出る稼ぎ方です。実体験から整理しますが、抽象的な性格論だけだと判断できないと思うので、実際にどういう条件で働くことになるのかを先に出します。2026年7月時点の話です。
まず、実際の労働条件
自分がSKIMAで受けてきた依頼の実測です。
| 項目 | 実測 |
|---|---|
| 納期 | 10〜14日 |
| 1件の分量 | 3,000〜12,500字程度 |
| 1件の金額 | 3,000〜12,500円 |
| 手数料 | 販売額の22%(2万円までの帯・税込) |
| 実質の手取り | 1文字1円で受けても、手元は1文字0.78円ほど |
| 権利 | 台本など買い切りの案件では、名前は出ない |
ここを見て「思っていたのと違う」と感じるかどうかが、向き不向きの第一関門だと思います。特に手数料で2割強が引かれることと、買い切りだと自分の作品として名前が残らないことは、事前に知っておいたほうがいいところです。
向かない人
- 自分の書きたいものを書きたい人。コミッションは依頼者の注文に応える仕事で、作家性を出す場ではありません
- 対人のやり取りが負担な人。文字とはいえ、メッセージで要望を聞いてすり合わせます。依頼内容がざっくりしていて、こちらから質問して詰める場面も出てきます
- 納期がプレッシャーになる人。投稿のマイペースとは違い、10〜14日の締切があります
- 書いたものを自分の実績として見せたい人。買い切りの案件では名前が出ないので、ポートフォリオに積み上がりません
- 最初から相場で受けたい人。実績ゼロの時期、自分は相場の半額(1文字0.5円)から入りました。安値で入る期間を許容できないと、最初の1件が来にくいです
お金をもらって書く以上、趣味で書くのとは気持ちの重さが変わります。ここが合わないと、しんどいです。
向く人
- 注文に応えて書くのが、むしろ楽しめる人
- 人とのやり取りが苦じゃない人
- 締切があったほうが動ける人
- 投稿サイトに、見本として見せられる作品がある人
- 「読まれないけど書きためてはいる」という人。その蓄積が見本として効きます
小説と台本で、向き不向きはさらに分かれる
同じコミッションでも、売り物によって必要な技術が違います。
小説は普通に書けばいいのですが、音声作品の台本は地の文が使えません。状況説明も心情も、すべてセリフでやることになります。セリフのバリエーションを出し続ける必要があって、自分にはこちらのほうが難しく感じました。
単価は台本のほうが高く設定できますが、書きづらさも増えるので時間あたりでは相殺される感覚です。セリフならいくらでも思い浮かぶという人は台本向き、地の文で情景を書くのが好きなら小説向き、という分かれ方だと思います。詳しくは音声作品の台本執筆の相場に書きました。
「打ち合わせが嫌」なら、場所を変える手もある
対人のやり取りが負担という人向けに補足しておきます。
Skebやpixivリクエストは、打ち合わせとリテイクを禁止しているプラットフォームです。一発で書いて納品して終わり。だから手数料も安く(Skebは最大9.8%、pixivリクエストは10%)、やり取りが苦手な人には構造的に合っています。
ただし自分はこの2つで1カ月やって依頼ゼロでした。どちらもすでにフォロワーや読者がいる人向けの場所で、自分にはその蓄積がなかったからです。「やり取りが嫌だから安いほうへ」は、集客資産がある人にしか成立しません。この経緯はSkebで依頼が来ないのはなぜか、料率の比較は6サイトの手数料比較にまとめました。
お金以外に得られるもの
向いている人にとっては、お金以外の見返りもあります。
コミッションは、依頼者が必ず最後まで読んでくれて、感想までもらえる。投稿サイトだと反応ゼロが当たり前なので、これは大きいです。具体的なリテイク指示は勉強にもなります。「この場面はもっとこうしてほしい」と言われることで、自分の癖がわかる。
自分はいま、書く力そのものを鍛える練習として受けている面もあります。目の前の一人に刺さるものを作る訓練は、投稿作品にも効いてくるはずだと思っています。このあたりはSKIMAで売った話に詳しく書きました。
でも、やってみないとわからない
ここがいちばん言いたいところです。向き不向きは、頭で考えても答えが出ません。
自分も始める前は、対人も納期も不安でした。でも実際に1件受けてみて初めて、「意外と注文に応えるの嫌いじゃないな」とか「ここはやっぱりきついな」がわかった。考え込んでいた時間より、1件やってみた経験のほうがずっと多くを教えてくれました。
しかも金額が1件数千円の規模なので、試すコストが小さいのも大きいです。数十万円の案件を受けて合わなかったら悲惨ですが、5,000円の依頼を1件やってみて合わなければやめればいい。
なので、向いてるか不安で踏み出せない人ほど、まず1件だけ受けてみるのがいいと思います。始め方や選び方はコミッションという選択肢、何が売れるかはコミッションで何が売れるかにまとめています。
▶ 投稿サイトのリワードより稼げた。SKIMAで小説のオーダーメイドを売った話:最初の1件を受けてみたときの実感
この記事の前提
- 向き不向きはその人の性格・生活・扱うジャンルによって変わります。本記事は筆者一人の実体験(2026年7月時点)に基づく整理です
- 納期・金額・手数料は筆者の実測および2026年7月時点の各公式表記です。料率は改定されることがあるので、各公式で最新を確認してください
- 「依頼ゼロ」はフォロワーや読者の蓄積がほとんどない状態で約1カ月出した場合の結果です。Skebやpixivリクエストでは稼げないという意味ではありません