コミッションで何が売れるか。実際に受けた依頼の中身と金額
コミッションを出してみて、いちばん効いたのは「何を売るか」の決め方でした。ただ、それ以前に「どこで売るか」で結果が決まってしまう部分もあったので、両方書きます。2026年7月時点の実体験です。
まず、実際に受けた依頼の規模
抽象的な話の前に数字を出します。自分がSKIMAで受けてきた依頼はこうでした。
| 項目 | 実測 |
|---|---|
| 1件あたりの金額 | 3,000円〜12,500円 |
| 分量 | 1文字1円換算で3,000〜12,500字程度 |
| 納期 | 10〜14日 |
| 小説の単価 | 1文字1円(実績ゼロの時期は0.5円から入った) |
| 音声作品の台本 | 1文字1円(小説の2倍に設定していた) |
短編1本から中編くらいまでが動きやすい帯でした。数十万円の大型案件ではなく、数千円の依頼が積み重なる形です。値付けと手数料を引いた手取りは小説の執筆依頼の相場にまとめました。
売れるのは「無料では手に入らないもの」
大前提として、既存の無料作品で満たされているものは、わざわざお金を払って依頼されません。投稿サイトに無料でいくらでもある種類のものを、有料で頼む理由がないからです。
逆に売れるのは、こういうものだと思っています。
- わざわざコミッションサイトで依頼しないと、読めない・見つけられないもの
- 「お金を出してでも、これが読みたい」と思ってもらえるもの
つまりニッチで、けれど需要が強いところ。万人向けの薄い需要より、狭くて深い需要のほうがコミッションでは値段がつきます。
探すヒントは、自分自身の不満
具体的に何がそれにあたるかは人によって違いますが、探し方にはコツがあります。自分自身の"ないものねだり"です。
読み手として「こういうのがもっとたくさんあればいいのに」「なんでこれがないんだ」と思ったことはありませんか。その不満こそ、満たされていない需要の入口です。自分が読者として渇望して、でも世の中に足りていない。それを書けるなら、同じ渇きを持つ人がお金を払ってでも読みたいと思ってくれます。
自分が一番ほしかったものを書く、というのは案外いちばん確かな当て方でした。ここは自分の引き出しを棚卸しする作業になります。
小説以外にも売り物がある
見落としやすいのですが、コミッションで売れる「書く仕事」は小説だけではありません。自分は音声作品の台本も売っていました。シチュエーションボイスなどの読み上げ用シナリオを、依頼を受けて書く仕事です。
こちらは著作権の譲渡(買い切り)が前提になることが多く、そのぶん単価を小説の2倍に設定していました。ただし地の文が使えず、セリフだけで状況を説明する必要があるので書きやすさは落ちます。時間あたりで見ると小説との差は相殺される、というのが実感でした。相場と技術の違いは音声作品の台本執筆の相場に書きました。
ほかにも校正・添削・感想といったカテゴリがあり、「書く力」の売り方は思ったより幅があります。
受注のコツ(出品の仕方)
出品の仕方で2つ効いたことがあります。
ひとつは、狭く特化して出品すること。「なんでも書きます」はその他大勢に埋もれます。得意な領域に絞ったほうが、それを探している人にちゃんと届く。間口を広げないのが、かえって受注につながりました。
もうひとつは、見本を見せること。自分は投稿サイトに置いてある作品を見本にしました。「こういう文章を書く人です」が一目で伝わると、依頼のハードルが下がる。投稿の蓄積が、ここで名刺になりました。読まれなくても書きためていたものが、こういう形で効きます。
依頼はざっくり来ることが多い
これは受けてみてわかったことですが、依頼内容が具体的に固まっていないケースがけっこうあります。特に音声台本のほうは、最終形をイメージできていない依頼者が多い印象でした。
なので、こちらから質問して詰める作業が発生します。ここを面倒がらずにやると仕上がりの満足度が上がるので、実質的にはこれも受注の技術のうちだと思っています。
「何を売るか」の前に「どこで売るか」
最後にこれを書いておきたいです。自分は手数料が安いSkebとpixivリクエストにも出品しましたが、1カ月やって依頼はゼロでした。
理由は、この2つがすでにファンがいる人向けの場所だからです。Skebは募集を開始すると連携SNSのフォロワーに通知が飛ぶ作りなので、フォロワーがいなければ届く相手がいません。何を売るかを考える前に、そこが噛み合っていませんでした。
一方SKIMAやココナラは依頼者が探しに来る場なので、実績ゼロでも最初の1件が発生します。売り物より先に、売り場が合っているかを確認したほうがいいというのが失敗から得た教訓です。詳しくはSkebで依頼が来ないのはなぜかと6サイトの手数料比較に書きました。
まとめ
万人向けを薄く狙うより、狭く深い需要を取りにいく。自分の引き出しと満たされていない需要が重なる一点を見つける。そして、その売り物が届く場所に置く。この3つが揃ったときに受注が動きました。
金額としては1件数千円の積み重ねですが、投稿サイトのリワードとは桁が違います。全体像はコミッションという選択肢、向き不向きはコミッションの向き不向きにあります。
▶ 投稿サイトのリワードより稼げた。SKIMAで小説のオーダーメイドを売った話:最初の1件が来るまでと、来てからの流れ
この記事の前提
- 何が売れるかは需要とタイミング、扱うジャンルによって変わります。本記事は筆者一人の実体験(2026年7月時点)です
- 金額・分量・納期は筆者の実測です。「誰でも同じように受注できる」という話ではありません
- 「依頼ゼロ」はフォロワーや読者の蓄積がほとんどない状態で約1カ月出した場合の結果です。Skebやpixivリクエストでは稼げないという意味ではありません
- 他者の著作物を使う創作には権利上の注意が必要です。依頼を受ける際は各サービスの規約と権利関係を確認してください